2010年2月16日

この鬼十則、だれかに貰ったものなので、原文と一致しているのかは怪しい。

しかし、いいこと言ってますな。

ロンドンに来て7ヶ月。どれだけできているか鬼と照合してみる。

うーん。見事にすべて出来ていないような気がする。

いい機会なので、しっかり頭に入れて取り組んでみよう。

この社則ができたのは、戦後間もない1951年というから、もう半世紀以上が経っている。英語版も流通している。

「軍隊的な」との解説もあるが、たとえば5番などは、英語版では、「殺されても放すな!」とまでは書いていない。

また、6番などは、かなりの意訳だと思う。

この6番則の「引きずり回せ」だが、犬郎の身近に、ものすごく強引なイギリス人で、周囲とは摩擦だらけだが、結果としては誰もできなかったプロジェクトを成功させた人間がいた。かれは、周りがなにを言っても、自分のやり方を曲げようとせず、聞く耳を持たなかった。ゆえに、周りの人間は、その強引なやり方や非常識と思える発想に辟易としていた。そして、その彼の尻拭いみたいなことを余儀なくされていた。摩擦だらけだったのだ。しかし、気づけばプロジェクトは成功していた。日本人の同僚には、彼のような振る舞いは到底できまい。曰く、「彼だからできたのだ」と。

"Lead and set an example for your fellow workers."を「導き、仲間に範を垂れる」と読むと、日本語の原文の「周囲を引きずり回せ」とはニュアンスが違うようだが、真のLeaderに求められるのはこの6番なのだろうか。敗戦で自信を喪失した日本人のなかにも、この鬼十則のような社則を作る経営者がいたんですね。いまの時代はどうでしょう?

犬郎は思う。6番則を実行するのは10番則と同じぐらい難しい。でもやらねばと。いつか、この十則では不十分と言える自分の姿を信じて!!

言葉としては、研ぎ澄まされた美しさはないが、なんといっても気魄が伝わってくる。

電通鬼十則

1.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない。
2.仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3.大きな仕事と取組め!小さな仕事は己を小さくする。
4.難しい仕事を狙え!そして成し遂げるところに進歩がある。
5.取組んだら放すな!殺されても放すな! 目的を完遂するまでは...
6.周囲を引きずり回せ! 引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる。
7.計画を持て!長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8.自信を持て!自信が無いから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらがない。
9.頭は常に全回転、八方に気を配って、一部の隙もあってはならぬ!サービスとはそのようなものだ。
10.摩擦を怖れるな!摩擦は進歩の母、積極の肥料だ。でないと君は卑屈未練になる。

※4代目社長吉田秀雄により1951年につくられた、電通社員の行動規範。来日したGE社長に英文版を贈ったとも言われる。

英文版 「Dentsu’s 10 Working Guideline」

1.Initiate projects on your own instead of waiting for work to be assigned.
2.Take an active role in all your endeavors, not a passive one.
3.Search for large and complex challenges.
4.Welcome difficult assignments. Progress lies in accomplishing difficult work.
5.Once you begin a task, complete it. Never give up.
6.Lead and set an example for your fellow workers.
7.Set goals for yourself to ensure constant sense of purpose.
8.Move with confidence. It gives your work force and substance.
9.At all times, challenge yourself to think creatively and find new solutions.
10.When confrontation is necessary, don't shy away from it. Confrontation is often necessary to achieve progress.