2010年2月9日

土曜日のことだが、プリンターのトナーを買いに、ノッティングヒルゲートのRYMANに出かけた。

外は寒いと思ったので、ラグビーのジャージーにコートを羽織って、マフラー巻いて、帽子をかぶる重装備である。もちろん、手袋もしました。

ホランドパーク方面から坂を上がっていくと、いつもとは違う雰囲気である。

いろいろなコスチュームを着た人たちが、たくさん路上にたむろしている。ほとんどの人が、ビールの缶を手にしている。なかには、ビールの缶をタテに5つぐらいテープでつないで飲んでいる人がある。あれは、どうやって作るのだろう。

つながって5缶分のビールになっているのか、それとも飲み終えたものをただ、テープで下へ下へと貼り付けただけなのだろうか。

そんなことを考えていたら、そのコスチュームがイヌローに話しかけてくるではないか。なんとも微笑ましい。イギリスで道すがら話しかけられるのは、道を聞かれるときと小銭をせびられるときぐらいだと思っていたので、すこしびっくり。

ところが、どうもイヌローを挑発するような態度の人たちが多いではないか。お酒のマナーを君らは習わなかったのか。憤慨するイヌロー。

ノッティングヒルに近づくにつれ、エスカレートする挑発と罵倒。

イヌロー危うし。いったんマクドナルドに避難。

そのときである、イヌローは気づいた。イヌローの着ているラグビージャージーは、本日はワラビーズ仕様、すなわちオーストラリアのユニフォームだったのだ。

今日は、シックスネーションズだ。http://www.rbs6nations.com/en/home.php

参加国ではないオーストラリアだが、そもそもイングランドの宿敵である。というか、どの国からみてもライバルなのである。

オーストラリアというのは、人口2000万弱の国だが(ちなみにイギリスは6000万)、ラグビーは滅法強い。ワールドカップも6回のうち2回優勝している。でもクリケットもめちゃめちゃ強い。それにホッケーも強い。イギリス発祥のスポーツでことごとくイギリスをやっつけるのだから、これは不倶戴天の敵なのだ。

強いものは疎まれる。ここは、日本のように対戦相手にまで拍手をする国ではないのだ。

ゆえにイヌローは挑発される。

でもこの話はかんたん、イヌローはコートのボタンをしめて一件落着であった。ノッティングヒルゲート駅の周辺は、変装した人たちでカーニバル状態であった。

RYMANに到着し、CANONのプリンタートナーがあるか尋ねた。店員からは、「そのタイプはないな」と一言で返された。せめて、「そのタイプはイギリスでは扱ってないな」とか「ネットで検索してみたら」とかあってもいいのに、「聞かれたことにだけ答えるだけなんてサービス業合ってないんじゃないのアナタ。プンプン

いま来た道を帰っていく犬郎であった。

おわり