2010年2月15日

ロンドンに来て、すっかり銀行とお付き合いすることが多くなった犬郎。

それも、別にこちらが希望しているわけではないのだが、電話がじゃんじゃん掛かってきます。朝の9時前にも、午後3時以降にも掛かってきます。

各種保険や定期預金の勧誘だけではなく、口座にもいろいろとグレードがあるみたいで、「あなたが口座開設して○ヶ月経過したので、お取引状況から判断して、××カードへのアップグレードが可能となりました。」みたいなオファーも来たりします。

犬郎の場合、いちばん下位グレードのカードからスタートしたので、アップグレードのチャンスがあるわけです。まるで出世魚のようです。

その銀行員にとってはしゃべり慣れたフレーズなのでしょう。超高速で、サービス内容の説明をし始めます。

もともとのサービス内容を理解していないところに、さらにお得ですといわれても、「わからんが、よろしく頼む」としかいいようがないのでした。

そして昇格のたびに口座管理手数料(月額)がアップしていくのです。

さて、ここイギリスでは、お買い物の支払いはほとんどDEBITカードで済ませられます。これはクレジットカードとはちがって、銀行の口座から直接代金を引き去るというものです。銀行のキャッシュカードでお買い物するイメージです。

これは結構便利です。キャッシュは最低限必要と思われる分しか持ち歩きません。レストランでも、スーパーでも、役所でもすべてこのDEBITカードで支払いをします。

犬郎のロンドンに来て最初の仕事は、まずは銀行口座を開設してDEBITカードを作ることでした。

HSBC、Lloyds、Natwest、citi、RBS、BARCLAYSのサイトにアクセスして、口座開設の仮申請をしたところ、Lloyds、Natwest、RBSからは、口座開設はできないとの通知がありビックリ。

犬郎って、案外信用ないのね。

仕方がないので、HSBC、citi、BARCLAYSに絞って申し込み。citiは、あっという間に手続き完了です。あとの2行は、手続きに1週間ほど時間がかかりました。

口座の開設は、アポを取って希望の支店に出かけます。ブースに通され、銀行員と1対1で手続きします。

パスポート、年収証明、給与明細の写し、会社の紹介状、現住所を証明する書類(カウンシルタックスの通知書が一番いいみたい)など、お約束の書類を持参します。

日本の資産とか、いつごろどの程度イギリスにシフトするつもりだとか、いろいろ聞かれます。ある程度の取引実績ができたらまた連絡するとかも言われます。(でもしょっちゅう掛かってくるけども、、、)

そして最後にお約束のセリフが待っています。

「本日の、私(共)の接客・サービス内容には満足いただけましたか?犬郎さま、満足いただけたようでしたら、後日、当行からご自宅宛に送付予定のアンケートに、その旨、ご回答の上、ご返信ください。」

とくにインド人系の銀行員の場合は、しつこく念押ししてきます。「わかるっ、大変満足。大変満足にマルをしないとダメですっ」ってな感じです。

きっと、アンケートのフィードバック次第で、昇給や昇進・昇格に差がつくのでしょうね。

やはりこちらの銀行員は、日本の銀行員とはちがう。

ロンゲ、パーマ、スキンヘッド、チョンマゲもいます。

服装も自由だし、ガムをかんだりしているのもいました。耳にピアスの男性も当たり前。さすがに舌にピアスまではいませんけど、、、、

電話攻勢だけでなく、メールをつかってのコミュニケーションもあります。まるで普通に仕事でおつきあいをしているような錯覚に陥ります。

日本の銀行窓口で、口座開設したときに(たいてい窓口は若い女性が担当)、「お客様、今後なにかございましたら私のメールアドレスを差し上げますから、なんでもご連絡くださいね。」なんて言われることはないですよね。

もしあったら勘違いをする人もいるのではないでしょうか。

しかし、銀行から、「あなたとの取引実績を見て、アップグレードをさせていただくことになりました。おめでとう」と言われたら、悪い気持ちはしません。

「取引実績」って、実際なんでしょうかね。月に一度給料の入金があって、あとは公共料金やら生活費の支払いで出て行くだけなんだけど、それって本当に実績なのでしょうか。

でも、銀行員が身近にいて、いろいろと相談に乗ってくれるっていう安心感はあるんですよね。

こういう「取引実績」を積み重ねていって、個人の信用残高が増えていくと、家のローンを組んだりするときにものをいうのだとある人に教えてもらいました。

イギリスで家を買うかって?まずそれはないでしょうね。