2010年8月6日

先週は、犬郎は、米国マサチューセッツ州のケープコッドというところまで出かけてきました。

目的は大きくわけて二つです。

一つは、休暇旅行。

そしてもう一つは、じつはこれがメインなのですが、エドガー・シャイン博士の5日間のレクチャーを受講するというものです。

ケープコッドというのは、夏の間は海水浴客でごったがえす保養地なのです。冬は寒くて、ほとんどのホテルやレストランが営業休止してしまうという、夏限定のリゾート地。

ここで毎年夏の間だけ、ケープコッドインスティテュート(http://www.cape.org/)という団体が、著名な学者を集めて、セミナーを行ないます。

リゾート地での開催なので、セミナーは午前中のみ、午後は自由時間という大変ありがたいスケジュールとなってます。

シャイン博士は、ここで毎年、レクチャーをされているわけです。御年80を超えられても、博士の旺盛な行動力には頭が下がります。

ここ数年はCHANGEというタイトルでレクチャーをされていましたが、昨年からは新刊書のタイトルでもあるHELPINGをテーマにされています。博士は、このHELPINGというプロセスをご自身の過去60年間にわたる研究生活の集大成と位置づけられておられます。同書は『人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則』という題で邦訳がでています。

レクチャーは、グループに分かれてのディスカッションや、会場の参加者とのかなり白熱した質疑応答を含め、かなり知的な刺激に満ちたものでした。犬郎は参加しませんでしたが、午後に勉強会を自主的に組織したり、参加者の意識レベルもかなり高かったです。HELPINGへの理解がかなり高まりました。

日本では、キャリア・アンカーという概念を提唱された方として人気がありますが、ぜひこのHELPINGの一読をおススメいたします。

参加者は、企業の研修担当者、学校の教員、軍関係者、ケアワーカーが多かったですね。日本で、研修をすると、キャリアカウンセラーばかりが集まってしまうような気がしますが、HELPINGという講義の内容であったことも影響しているのでしょう。ところで、参加者の半数位は、シャイン博士を知らずに参加していたので、この辺りもアメリカ的だなあと思った犬郎でした。

シャイン博士は、おちゃめな方で、毎朝のレクチャーの開始時、休憩後の再開の際に、仏用鐘を鳴らされるのですね。大層お気に入りのようでした。

機会があれば、また博士の別のテーマでのレクチャーを受講したいものですが、きっとHELPINGをしばらく取り上げられるのでしょうね。


犬郎